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滋賀県湖南市の国宝『長寿寺』の、もみじ並木の再生

年々弱っていき枯れ枝が増えていくもみじ

もみじの並木が弱り枯れ枝が増えてきている。そんな相談を長寿寺の住職から受け、現地を調査。
その後、伐採ではなく、樹木医を迎えての『診断』と『再生』を提案。
10年をかけたもみじの再生事業として『長寿寺もみじ再生プロジェクト』が始まりました。

  

国内屈指の樹木医そしてアーボリストと共に挑む

伐採に頼らない、樹木の再生

国内の数少ない樹木医の1人、宇治田直弘氏を迎え、山林で仕事をしている様々なメンバーによるプロジェクトチームを結成しました。
10年計画として、もみじの並木を中心に、庭園の樹木の再生に挑んでいます。
 
【樹木医とは】
樹を診断して、治療するのが仕事です。樹そのものだけでなく、周りの環境についても広く調べ、総合的に診断・治療します。例えば、弱っている樹があったら、樹だけを診て判断したりしません。樹の周辺にも目を向け、高いところにある枝葉によって光が遮られていないか、害虫によって弱っていないか、やせた土壌によって栄養不足に陥っていないかなど、樹が生育している生態系も含めてトータルに診断します。

【アーボリストとは】
大きな樹の維持と管理が仕事です。日本語では樹護士(じゅごし)と呼ばれ、厳密には8メートル以上の樹木を扱います。「アーボリスト」たちは、人と樹が仲良く暮らすための知恵が詰まった思想、アーボリカルチャーにもとづき、樹にまつわるさまざまな活動をしています。

これまでの作業

まずは問題となっている弱った楓の状態を1本1本調査。調査範囲は樹木のサイズや参道からの距離などの位置関係、そしてカミキリムシの発生や樹木の弱体化の根本にある、過去に行った土壌整備についてまで及びます。
樹木単体や害虫・病気の原因究明と対処だけでは自然環境との共生は図れません。
樹木へのアプローチと共に、穴を掘り、水の流れも調整するなどの土壌改良も並行して行った。そうした地道な工程を進めるにあたり、樹木医でありアーボリストの宇治田氏の複合的で広い視野と深い知識、そして自然の中で長年仕事をしてきた豊富な経験によって、解決への道筋が少しずつ見えてきました。

弱っている楓を見極める深い洞察

一本一本、幹の太さと参道からの距離を記録してく。多角的なデータ取得がまずは重要。

樹木医とアーボリストの幅広い木の知識と経験で、林業に携わる人たちも教わりながら作業を進める。

樹木だけにアプローチするのではなく、近隣の土壌改良も行う。環境全体を視野に入れた作業。

ツリークライミング技術による安全で樹木にも優しい樹上のワーク。

樹木が隣接する場所以外にも原因は潜んでいる。広い視野と的確な判断で各所の作業が進む。

重機が入れない場所でも作業でき、樹を傷付けずに上ツリークライミング技術。

注射による栄養分の注入

樹木医・アーボリストの仕事を間近で見てみませんか?

自然との共生を実現するための確かな技術と知識を知ってもらうために

今回、宇治田氏が参画してくれた背景には、自身が身を置く樹木医とアーボリストの仕事を、まだ知らない人たちに伝え広め、人を育てたいという熱い想いがあります。
『樹木医さんと働こう』と銘打って、各シーズンの作業に同行してもらう枠組みも試験的に行ってきました。今後はワークショップを開催することも検討中です。
個人・団体問わず、ご相談を承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

樹木についてのお困りごとのご相談、このプロジェクトへの支援、受け付けております。

本プロジェクトには、多くの時間と確かな経験と技術、そして道具や薬剤などの高価な備品が必要となります。伐採をしてしまう方が楽な面は確かにありますが、樹木を護り自然との共生を図ることの大切さを伝え、実践していくために宇治田氏はじめチーム森びとと有志メンバーは動いています。このプロジェクトから、樹木医やアーボリストの仕事について興味を持ってもらえること、またプロジェクトへの支援をしていただけることは、今後活動を続けていく上で重要になって参ります。
どんな形でも構いません。
本プロジェクトを通して、我々の活動への参画とご支援をお待ちしています。